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2005年 06月28日
灼熱の太陽。
燃える大地。 ここはきっとメキシコだ。 あんな・・・なんとも形容しがたい服装で天下に公道に登場し チャリでぶっとばしていくなんて、日本人じゃありえない。 メキシカンな若いジェンヌさんたちよ。 車と紫外線には気をつけてください。 さて雪組。 『霧のミラノ』は柴田作品というではないか。 渋めで品のある味わい深い柴田作品。 ・・・だが、なんのなんの! 迷作『炎のボレロ』をうみだした柴田先生。 やるときはやるのだ! 霧のミラノというよりは「ミラノ風カツ丼」といった具合で、 霧も霞もありゃしない。 まさに直球勝負の逸品だ。 (『炎のボレロ』では「俺は一生懸命!」という歌を一生懸命トップが歌っていた) 幻の迷作を知らない人には、 ベタキング中村暁一座と言ったほうが分かりやすいかもしれない。 出だしから壮くんが 「♪ いっちはっちごーはっち(1858)」 と元気よく年号を歌いあげるし、 貴城サンは王子様ジャンプで登場するし、 舞風サンは需要も供給もTPOも無視したブリっ子衣装で出てくるし、 そりゃもう手がつけられないツッコミ度合い。 ・・・大好きだ・・・。 ショーは『ワンダーランド』。 石田昌也のワンダー魂が炸裂している。 にぎやかで楽しくて簡単明瞭。 ギャグも威勢よくスベらせて、ヘボい遊園地みたいな安っぽい楽しさに溢れている。 ああ、ほめてしまった。 私達は芝居ですでに笑い疲れており、 ショーでは2場面目くらいでもう笑いがギブアップ状態になってしまったけど、 ファミリー観劇や団体のお客さんはすごく楽しめるだろう。 そういえば。 今回から組替になった水サン。 雪組の中にシャープに斬りこんでいた。 シャープに踊りシャープにキザり、 シャープな動きで帽子を落とした。 帽子はころころ転がって、オケボックスへと吸い込まれ、 なんとか拾おうとした水サンの手は空をつかんだ。 いくらシャープなダンサーとはいえ、帽子があるフリをでポーズキメるのは あまりにも間抜けすぎてステキだった。 終演後 「希望はないかもしれんけど、とりあえず夢はあったよね」 と友達が評した。 「タカラヅカを観た!って満足したよ」 と。 『ベルばら』を観てタカラヅカらしいと思うか、 『マラケシュ』に感激するか、 『プティ・ジャルダン』に満足するか、 『さすらいの果てに』にハマるか、 そんなのは感性の違いである。 私達は心底、楽しめた。 たくさん笑ったんだ。 たくさんカッコよかったんだ。 それでいいじゃないか。 今夜のビールはとってもうまい。 カテゴリー(雪) スポンサーサイト
2005年 06月20日
星組千秋楽。
今日が最後の楽屋入り、 「頑張ってください!」 と声援をおくるファンに、 真白い服に身を包み、白い帽子を優雅にかぶった檀れいサンは 「まかしとけ!」 ガッツポーズで決めて入った。 なんて凛々しいその姿。 ・・・まかせたぞ。 今日の舞台は最高のはずだ。 だが、私は観れないのだ。 さよならショーなんてのは、もっとちゃんとしたファンが観るべきなのだろう。 私にできるのは待つことだけ。 ご飯を食べながら。 馬鹿な話をしゃべりながら。 そのへんの下級生を冷やかしながら。 長い一日、じっと待つ。 待ちくたびれて疲れ果てた頃。 公演のすべてが終わって出待ちがはじまる。 大劇場から花のみちへ続く、この退団者の最後のパレードは ちょっとしたバージンロードみたいなもんだ。 たくさんの拍手と歓声をあびながら、生徒監のお父ちゃんと並んで歩くバージンロード。 嫁に出すんだ。 新しい世界へ。 ここを歩く人たちが綺麗なのは、だから当然かもしれない。 袴姿の仙堂サンは 「東京も頑張ります!」 と大きな声で言った。 「東京も頑張れ。そのあとも頑張れ」 と友達が呟いた。 そして。 どよめきがあがる。 黒光りする超高級車、ロールスロイスの登場だ! もちろんオープンカー。 赤いお仕着せの運転手つき。 さすがファラオの娘だけのことはある。 「可愛い檀ちゃん。 オトコマエの檀ちゃん。 きれいな檀ちゃん」 声援をあびながら歩く檀サンは、緑の袴に白いバラを抱えていた。 最高に晴れわたった笑顔。 報道陣に手を振る姿を眺めながら、私は何年か前のことを思った。 あれは真琴つばさサンのさよならで、 檀サンも月組を去ることになった公演『愛のソナタ』の千秋楽。 この同じ道を歩きながら、檀サンはファンの前で深々とお辞儀をしていた。 長い長いお辞儀。 真っ赤にうるんだ目が忘れられなかった。(過去ログ参照) あの時これからどうなるんだろうと思っていた人が、 こんなにも綺麗でゴージャスでオトコマエな、見事な姿で去っていく。 そう思うと、なんだかいっぱいな気持ちになる。 だからみんなで見送った。 舞台は観られなかったけど、それでも、こんな私でも。 拍手をした。 手を振った。 檀ちゃん!って呼んでみた。 我らがタン・リーを、楊貴妃を、アムネリス様を見送った。 美しい横顔が通りすぎ、 緑のリボンで飾られた後ろ姿が遠ざかり、 歓声につつまれたロールスロイスが角を曲がって見えなくなるまで。 ・・・よし。悔いはない。 ようやく暑い日が暮れた。 今夜は妖精のうまれるミッドサマーイブだ。 カテゴリー(星) 2005年 06月17日
タイトル言いにくいし。
主題歌プティプティうるさいねん。 反射的に「プチプチプチプチ、プチシルマ?」と歌ってしまうではないか。 いや、失礼。 研ナオコもびっくりのお洒落な作品で。 とにかく演出家に恵まれた。 こないだの雪組や星組を思うと切なくなるくらい、しっかりしている。 ストーリーは「ステラマリス」と「王様のレストラン」を足して 甘ったるくしたような青春群像なんだけどな。 まさか宝塚でグルメドラマを観ようとは。 さすがは植田景子氏。 なんだかんだと言いながら。 ・・・悔しいくらい良かったよ。 やればできるやん! ちょっと今までにはない、ヤル気の宙組だった。 パンチのきいた和音美桜、 底力のある風莉じん、 華やかな凪七瑠海くんと、 裏街道をつっぱしる芸人・貴羽右京氏、 そして主役の悠未ひろ。 ただいま青春、伸び盛り(身長じゃなく)。 率直な感想をと言われているので、この際えらそうなことを書いておこう。 私は昔から、悠未くんを見てると痒いような気持ちになる。 痒い。 むず痒い。 歯痒い。 すっきり垢抜けてきたぶん、余計に痒い。 成長著しくカッコよくなってきたのに不思議なくらい○○が無い、 無いまま大きくなっちゃって、 それがもったいなくて見てると痒いのだ。 成長痛みたいなものだろう。 大器晩成めざしてがんばれ。 足りないものを掴み取るまで。 カテゴリー(宙) 2005年 06月14日
友達と顔を合わすたびに
「暑いな。梅雨入ったばっかりやのに」 「夏はたまらんな」 「昨日の疲れがまだ取れへんし」 「昔みたいに体は動いてくれへんよな」 なあんて、年寄りくさい話をしている場合ではない。 今日の大劇場を見たまえ。 B席の半分を占領している彼らを見たまえ! 若さに溢れているではないか。 若い若い。 ピチピチだ。 ガキガキだ。 幼稚園児なのだ。 大人数で、遠足だろうか。 園長先生も大忙しである。 私も小さい頃から来ていたが、二言目には 「(こんなとこより)ファミリーランド行こう?」 ばかり言ってる、行儀もへったくれもないアホ餓鬼であった。 芝居の筋なぞわからなかったし日本舞踊は地獄の責め苦だったっけ。 そんなことを思い出しつつ、幕間に一人つかまえてきいてみた。 「ボク、お年いくつ?」 「5さい! なまえは○○りゅうへい!」 フルネームで教えてくれたりゅうへい君は自己アピールの強い子と見た。 「りゅうへいくん、松本先生の日舞はどうだった?」 「・・・・・・(ノーコメントのようだ)」 「じっと座ってるの、しんどくない?」 「へいきだよ! だってぼく、ねてたもん!」 寝てたのか! よし! その調子だぞ、坊主! 幼児観劇の是非なんて野暮な話をするつもりはない。 ただ、どうなのだろう。 この芝居。 トップからして 「夢は夢だよ。見続けられるもんじゃねえ」 と諭してくれる。 夢も希望もあったもんじゃない作品なのだ。 しかも 「尻軽な!」と吐き捨てる和泉屋(立ともみサン)とか、 ガラ悪く舌打ちするらっこ(涼サン)とか、 裾まくりすぎて太モモまで見えちゃうらしゃ(安蘭サン)とか、 それから、 ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・一発ぶん殴った女にのしかかってく伊佐次(轟サン)とか。 よろしくないだろう。教育上。 ただ、普段は一番荒くれているさそり(真飛サン)が 「いつになくソフトだった」 と友達が言った。 恨みのこもった眼差しと、蹴殺すくらいのケリの場面。 今日はちょびっと甘かった。 「あれで『みんな女の人やで』って言われたら、子供、泣くかもしれんもんな」 さそりは子供に優しい無宿者かもしれない。 かつて 「ファミリーランド行こう」 ばかり言ってた私も7つの年にはすっかりファンだった。 今日、小さな手で一生懸命に拍手してた子たちも、一人くらいはファンになるといいな。 カテゴリー(星) 2005年 06月10日
かつての音楽学校は中華料理店になり、
ファミリーランドだった場所は住宅展示場になった。 いずれは小学校も建つ予定だという。 だが十年たっても二十年たっても、 花のみちでは入り待ちをする新米ファンが同じ会話がくりかえしている。 こんなふうに。 「ここが楽屋口なのね。ファンがいっぱい! スターが来るぞってカンジだよね」 「コツキさんは? コツキワタルさん来るかな?」 コツキじゃなくてコヅキだろう。 「今回ギンバシのソロが好きなんだよねー」 それを言うならギンキョウだろう。 「あ、あれコツキさんじゃない?」 いやあれは十輝いりす君だろう。 「ちょっと違うくない?」 だいぶ違うだろう。 「あ、また男役さん来たよ、カッコイイ! 写真撮っとこ!」 「お願いしまーす(パシャ!)」 「きゃー止まってくれたあ、感動!」 「でも今の誰?」 「知らない」 知らないなら止めるなよ。 「ジェンヌさんはみんなお洒落だよね。雰囲気が違うからスグ判るよね」 「あれもジェンヌさんかな?」 一般人だよ。 「あー、あの人は違うでしょ」 いや、そっちは生徒だよ。 全然わかってないじゃないかよ。 ついでに目の前を立ともみサンが通りすぎたよ。気がつこうよ。 「それにしてもコツキさん遅いねえ」 ・・・もう30分も前に入ったよ。 あの頃に帰りたいと、たまには思うこともある。 今日は時の記念日。 カテゴリー(花のみち日記) |